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HOME > 親和全期会・行事報告 > 北神圭朗衆議院議員と語る会 ご報告
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北神圭朗議員講演会報告(事業承継)

 事業承継に関しては、現在、遺留分や株式評価等について、法整備が検討されているところであり、親和全期会としては、業務推進委員会を中心に、「事業承継」をテーマとした勉強会を行う予定です。
 そこで、この勉強会に先駆け、平成20年2月18日(月)19時から、民主党の北神圭朗衆議院議員をお迎えして、現在の国会における事業承継の議論の現状をふまえたご講演いただきました。
  


 北神議員は、衆議院経済産業委員会の委員であり、民主党においては経済政策委員会の事務局長を務めるなど、特に中小企業における事業承継税制に造詣が深く、このようなご経歴をふまえ、今回の講演会では、国会及び民主党内での中小企業の事業承継に関する議論状況や今後の発展等について、有益なお話をわかりやすくお話しいただきました。
 講演会は、北神議員にご準備いただいたレジュメと中小企業庁作成の資料に沿って進められ、最初に「なぜ、今、事業承継なのか」について、お話しいただきました。
 中小企業では経営者の高齢化が進んでいること、引退して事業を引き継ぎたいと考えているものの実際に後継者がほとんど決まっていないという状況は、知識として聞いてはいても、資料の数字で見ると、その深刻さを改めて感じざるをえませんでした。
  


 また、小泉内閣やそれに続く安倍内閣時代に進められてきた大企業を中心とした経済のグローバル化によって一定の景気回復がなされたとみられているものの、同族会社を中心とした中小企業が経済、雇用を主に担っている地方では、いまだ厳しい状況が続いているのが現状である、とのお話しがありました。
 そして、このままでは、中小企業が保有しているノウハウや技術が失われてしまうことになり、地域、ひいては日本経済にも影響しかねない、というご説明には、深く頷きつつ、地方都市を訪れた際に目にする寂しい光景も、こういったことの影響があるのだろうかと考えたりもしました。
 次に、同族会社では「所有と経営が一致」しているために事業を継承するためには社長の地位を譲るだけでなく株式を譲渡しなければならないこと、また、経営者の個人保証や個人資産の担保といった負の資産も継承せざるを得ないことから後継者が見つかりにくい、といった「中小零細企業(同族会社)の苦しみ」が、事業承継に関する問題の根底にあることをご説明いただきました。
 そのうえで、「親族内承継の問題」として、事業承継に関して具体的に議論されている点について、お話しがありました。
 事業承継の形態については、親族外への承継、M&Aといった方法も考えられるものの、地方の場合、情報もないことなどもあって現実的には難しいため、現在、検討されている改正においても、親族内承継の問題が中心となっているとのことでした。
 また、「親族内承継の問題」の内容として、個人資産に締める事業用資産の割合が大きいこと、相続税の負担が大きいこと、の他、これまであまり取り上げられてこなかった民法上の問題、具体的には遺留分による制約をいかに排除するか、といった議論も行われているというお話しがありました。
  


 税務関係と聞くとどうしても尻込みをしてしまいがちですが、遺留分に関しては、通常の業務でも馴染みがあり、かつ、もともと様々な難しい問題を含むとされる分野であるだけに、興味深くお聞きしました。
 このような問題があることを前提に、「相続税の課税についての措置」「民法上の特例」「金融支援」を柱とした「政府の事業承継のための総合支援策」が検討されており、平成20年4、5月の国会中に提出、審議される予定であるというご説明がありました。
 特に民法の特例に関する点、具体的に「生前贈与株式を遺留分の対象から除外できる制度の創設」「生前贈与株式の評価額をあらかじめ固定できる制度の創設」に関しては、ご参加の先生も、自らの業務と直接関わると思われる分野だけに、熱心に聞き入っておられました。そのため、質疑応答の際には、「生前贈与株式を遺留分の対象から除外できる制度の創設」に関し、そもそも相続人間の合意を行うのが難しいのであり、合意があることを前提として後継者が単独で申立てできるとして単に遺留分放棄制度の手続を簡素化することでは現実的な解決とはならない、もっと別の方策を検討して欲しい、といった経験に根ざした意見も出されていました。
 さらに、政府の総合支援策においては、「事業承継センター」の設立が検討されていることについても触れられ、事業承継センターについては、現在、実験的な設置が進められているところ、今後は全国100カ所程度、商工会議所などを中心に設置する予定であるとの将来像をお話しいただきました。 最後に、今後の課題として、個人資産と事業用資産を法律上明確に区分できるのか、といった問題があるとのご説明があった他、事業承継税制に関して、そもそも理論的に事業用資産に相続税をかけるべきかどうかといった点を整理、調査していく必要があるとお考えであることをお話しいただき、講演を締めくっていただきました。
  


 講演会終了後は、東京倶楽部ビルディング霞ダイニング内に場所を移し、北神議員にもお付き合いいただいて懇親会を行い、講演会に引き続き、有意義で楽しい時間を過ごすことができました。
 今回の講演会を通じて、事業承継に関しては、様々な角度からの検討と問題の整理が必要であることを強く意識させられ、今後、弁護士としての業務の発展との関連を考える場合には、どのような観点で関わるべきか、改めて考えるきっかけとなりました。
 また、事業承継の問題に限らず、北神議員をはじめ、今後も、様々な分野で活躍の方々との交流の機会が、業務の拡大へと繋げていくことができればと思っております。

(親和全期会執行部 的場美友紀)

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