平成19年度法曹親和会夏期合宿 親和全期研究発表 報告
夏期合宿
平成19年8月25日、26日、箱根湯本「湯本富士屋ホテル」において、法曹親和会の夏期合宿が開催され、法曹親和会の各派閥が研究発表を行いました。
親和全期会研修委員会は、25日に、少年事件を題材に研究発表を行いました。

少年審判手続をわかりやすく紹介することで少年事件への抵抗感を払拭し、多く会員に少年事件に興味を持ってもらおうというのが研究発表の狙いです。
研究発表は2部構成で行われました。第1部は、演劇仕立てで少年審判手続を紹介し、度々出題される劇中の設問に、観客はアンケート・マシーンで回答するという参加型研究発表が行われました。第2部は、演劇では伝えきれない手続以外の問題についてパネルディスカッションが行われました。

第1部 「こちら石田法律事務所…本日もてんこ盛り?」
ストーリーは、ある弁護士事務所が顧問先の専務から少年事件の依頼を受け、少年事件を扱ったことのないボス弁とイソ弁が右往左往しながら事件を解決していくというものです。

軽快な音楽と馬淵泰至先生のナレーションで「こちら石田法律事務所…本日もてんこ盛り?」が始まります。
ボス弁役は石田茂先生、イソ弁役は細川早智子先生です(本名が役名)。細川先生は、正義感にあふれ少年の気持ちを理解しようと苦心する新米弁護士を演じ、石田先生は“面倒な事件はお断り”というボス弁をリアルに演じられました。

少年の父親役、冨永忠祐先生は、子供の悩みなど歯牙にもかけないエリートサラリーマンが、事件を通じて自分を振り返り自らも反省、成長していく様を熱演されました。

まさに、このエリートサラリーマンを大喝しその心境に変化を与えたのは石田先生です。ボス弁の存在意義を存分にアピールした舞台となりました。
また、家庭裁判所調査官役は小正寛隆先生です。小正調査官の登場で、弁護活動の要所が明らかとなり、観客は「困ったら調査官に頼ろう」と強く思ったに違いありません。

そして、設問に対するポイント解説は澤田稔先生でした。その穏やかな口調と「細川先生は気がついたかな?」という呼びかけは、新米弁護士を見えない力が支えているかのような癒しの空気を醸し出しました。

ナレーションは馬淵先生でした。ナレーションは、ストーリーを展開させると同時に、出題しアンケート・マシーン作動の合図もするという大変な役所でした。そんな中、アドリブを交えながら活気ある会場作りをされ、かつ、時間どおりに進行していただきました。
審判の場面では、裁判官役として本年度親和全期会代表の海野浩之が参加しました。海野裁判官は少年を在宅試験観察とする審判を下しました。この審判の時に流れた「かけがえのないもの」(渡邉英城先生選曲)という曲が、さらに少年審判の機微を演出しました。
レジュメ「第1部解説」(PDFファイル)
第2部 パネルディスカッション
後半のパネルディスカッションでは、パネラーとして三角信行先生、佐々木広行先生、林真希先生がご参加下さり、司会進行は委員長の渡邉先生がされました。
パネルディスカッションのテーマは、「女子少年が将来キャバクラで働きたいといった場合どういう対応をすればよいか」など、正解のない、多くの弁護士はどう考えるかを知りたい、というアンケート・マシーンが活躍するようなテーマを選定し、観客の先生方にアンケートを採る一方、パネラーの先生方に熱く議論していただきました。

パネルディスカッションにおいて、特に印象的であったのは、「このまま少年審判に付されれば少年院へ行くことになるが、逆送されれば執行猶予になる可能性が高い場合、少年及び両親が強く逆送を希望した場合、逆送になるよう弁護活動をすべきか」というテーマにおいて、三角先生の「少年の教育、更正を考えれば少年院に入れるべきであっても、弁護士は依頼者の依頼に反する活動を絶対にしてはならない。両親を説得できないときには辞任すべきである。」との端的なご発言でした。少年の更生にばかり目が行ってしまった自分の視野の狭さを痛感しました。

舞台裏
また、他にも多くの先生方の活躍がありました。
台本作成は、武藤暁先生でした。武藤先生はご自分の経験した少年事件を参考に台本を作成したとのことでしたが、その表現力と発想、ストーリー展開は、弁護士にしておくのは惜しいほど説得的で面白く、委員会で初めて検討した時には、台本を読み終わった後、皆感動してしばらく沈黙したほどです。
ドラマの解説部分は、佐野みゆき先生が明快な解説を作成され、当日レジメとして配布しました。
パネルディスカッションのテーマは、江口衛先生、馬淵先生、本多哲哉先生が担当されました。アンケート・マシーンで対応できるよう質問方法や質問の順番を工夫する必要があるため、苦労されていました。
そして、その全てを統括し陣頭指揮を取ったのは委員長の渡邉英城先生でした。渡邉先生のよりよいものを作るためには努力を惜しまない徹底した姿勢には敬服致しました。
ポイント解説のパワーポイントの作成、場面毎の音楽、アンケート・マシーン作動中のジングル、照明の割り振り、出演者の演技指導、小道具の準備に至るまで、テレビ番組さながらの演出を渡邉先生が考案され準備されました。
当日、杉山和也先生には、親和全期会執行部とともにアンケート・マシーンの設置及び渡邉先生とともに照明をご担当いただき、久野健先生には写真撮影をしていただきました。
分担は以上のとおりですが、委員の先生方はご自分の役に関係なく、研究発表のアイデア、台本、解説の検討などに多くの時間を割いていただきました。
最後に渡邉先生のお言葉を紹介します。
「一人でやるよりみんなでやった方が楽しい。適当にやるより真剣にやった方が楽しい」。
研修委員会の先生方、本当にお疲れ様でした。
(親和全期会執行部 柴田里香)
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