太田勝造・東京大学大学院教授 講演会報告
1 法曹親和会法曹養成制度検討部会では,平成19年11月21日,東京大学大学院法学政治学研究科教授であり,法社会学を専攻されている太田勝造先生をお招きして,
法曹の質についてどのように考えるか -英米の調査報告を踏まえて-
と題し,講演会を開催しました。前日には,法曹親和会の創立60周年記念シンポジウムがあり,法曹の質と法曹養成がテーマとされていましたが,連日の期日設定であるにもかかわらず,30名以上の出席者を得て,大好評でした。
最近,とみに法曹,とりわけ弁護士の「質」の問題が,人口増員とあわせて議論され,関心の高さを物語っていました。
本講演は午後7時から9時までの約2時間,パワーポイントによる資料(PDFファイル)を使用して行われました。

2 太田教授のホームページによると,同教授は「法社会学」「現代法過程論」「法と経済学」「法と交渉」「ADR」などの分野を中心に研究しておられますが,本講演では,日本とアメリカの弁護士の人口問題を比較しつつ,そのリーガルサービスの流れを市場自由化の流れに即しつつ,弁護士業務の評価に論及されました。ことに,アメリカの『マクレイト・レポート』(1992)[宮澤・大坂訳『法学教育改革とプロフェッション』三省堂2003年]とイギリスの「Quality and Cost」(Moorhead et al., IALS, 2001)を素材にして,その両者における「業務と評価」を詳細に述べられました。
ここで,今まであまり意識されてこなかった,商品の「品質」に関する①探索品質(見れば分かる品質,たとえばペンキ),②経験品質(試して分かる品質,たとえばカンヅメ),③信用品質(事後にも判断評価不能,たとえば医師とか弁護士の業務に多い)の3つの品質議論は,新鮮なものでした。

マクレイト・レポートでは,プロフェッションとして求められる資質・能力についての多角的な分析を行い,プロフェッションとしての基本的価値に言及されました。
イギリスの「Quality and Cost」では,法律扶助としての請負契約業務における業務の評価方法として,自己評価法,ピア・リヴュー法,カスタマー満足度法(CS法)(依頼者評価法),テスト法(法的知識・メタ知識)等を紹介され,参考になるものでした。
当日の反訳原稿です(PDFファイル)
(文責 結城 康郎)
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